うねめ悲恋物語
昔むかし、安積の里(現・郡山市)に春姫と次郎という若者が住んでおりました。二人は相思相愛の仲でした。
そこへ、奈良の都から巡察使が、安積の里へ貢物の取り立てにやってきました。
巡察使は里長の娘・春姫を気に入り、貢物の献上を3年間免除する代わりとして、
春姫を奈良の都へ連れ去りました。
春姫は帝の采女(うねめ)として仕えましたが、次郎恋しさに沼のほとりの柳の枝へ衣をかけて
入水したようにみせかけ、安積の里へ逃げ帰りました。
けれども、次郎はこの世におりませんでした。
嘆き悲しんだ春姫は清水に身を投じて、あの世の次郎のもとへ旅立って行きました。
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